抜け毛・掃除

犬の抜け毛対策ブラシの選び方|毛質で決める2〜3種類

公開 2026年8月28日

犬用のブラシは種類が多く、売り場で迷います。ただ、抜け毛のために使うものに絞ると、主役は2〜3種類です。残りは仕上げや艶出しなので、後回しでかまいません。

選ぶ順番は、道具より先に犬の毛質です。犬種の名前を調べるより、シングルコートかダブルコートかを確かめるほうが早く決まります。

その前に:シングルコートかダブルコートか

ダブルコートは、硬い上毛とやわらかい下毛の二層です。季節の変わり目に下毛がごっそり抜けます。柴犬、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ゴールデン・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどが当てはまります。抜け毛対策では、下毛を取れるブラシが要ります。

シングルコートは上毛だけで、はっきりした換毛期がありません。トイ・プードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリアなどです。抜け毛より、もつれや毛玉をほどく手入れが中心になります。

犬種の分類はアニコム損保の獣医師監修記事にまとまっています。判断がつかないときは、かかりつけの動物病院やトリミングサロンで聞くと確実です。

抜け毛対策で使うブラシ

ラバーブラシ

ゴムやシリコンでできた、柔らかいブラシです。ピンがないので皮膚を傷つけにくく、ブラッシングを嫌がる犬にも使いやすいのが利点です。ダブルコートの短毛(チワワ、ビーグル、パグなど)と相性がよく、盲導犬総合支援センターの解説では、下毛が密集した犬種に向くとされています。

使うときは、スムースコートなら毛並みに沿って、下毛が密集しているタイプは軽く逆立てるように毛をかき分けます。ただし、抜けかけの毛(死毛)を取るのが目的なので、同じ場所を何度もこすらないこと。やりすぎると皮膚や被毛を傷めます。

スリッカーブラシ

ラバーの土台に、くの字のピンが並んだブラシです。毛玉やもつれをほどきながら、抜け毛も取れます。対応する毛質が広く、1本目に選びやすい種類です。

トリマー監修のpsnewsの解説では、手に当てて痛くないもの、ピン先に玉が付いたものを選ぶことがすすめられています。表面だけをなでるのではなく、毛をかき分けて根元まで通します。力は入れません。

アンダーコート用ブラシ(ファーミネーター系)

刃状の細かい歯で、ダブルコートの上毛の下から、抜けかけた下毛を取り出す道具です。換毛期に抜ける毛の量が多いときに向きます。旧来「吸引式グルーミング機器」として別に検討していた道具も、役割はこれに近いものです。

強く当たるぶん、使いすぎると切れ毛や皮膚への刺激につながります。換毛期に短時間だけ、と決めて使うのが無難です。シングルコートの犬には使いません。

コームと獣毛ブラシ

金属のコームは、ブラッシングの最後に毛玉の残りをチェックして毛並みを整えるための道具です。豚毛や猪毛の獣毛ブラシは、艶出しと地肌のマッサージが目的で、抜け毛を取る主役ではありません。どちらも「仕上げ」の位置づけです。

毛質別の組み合わせ

毛質主に使うもの仕上げ
ダブルコート・短毛(柴、コーギー、パグ 等)ラバーブラシ、換毛期はアンダーコート用コーム
ダブルコート・長毛(ゴールデン、ポメラニアン 等)スリッカーブラシ(根元まで)、換毛期はアンダーコート用コーム
シングルコート・短毛(フレンチブルドッグ 等)ラバーブラシ、獣毛ブラシ
シングルコート・長毛(プードル、マルチーズ 等)スリッカーブラシ、ピンブラシコーム

順番と頻度

もつれや毛玉があるときは、先にスリッカーブラシでほどきます。そのうえで、下毛を取るブラシ(ラバー、またはアンダーコート用)をかけ、最後にコームで整えます。獣毛ブラシを使うなら、いちばん最後の艶出しです。

頻度は、毎日少しずつが理想です。難しければ週に1〜2回。換毛期のあいだは、毎日かけると床に落ちる量がはっきり減ります。時期ごとの掃除の回し方は、換毛期の掃除を楽にする方法にまとめています。

犬が嫌がるとき

無理に続けると、ブラシを見ただけで逃げるようになります。

  • 1回30秒くらいから始めて、少しずつ延ばす。
  • 終わったらおやつ、を毎回セットにする。
  • ピンのブラシを嫌がるなら、ラバーブラシやグローブ型に替える。
  • 顔まわりと足先は皮膚が薄いので、当てる力をさらに弱める。

やりすぎは逆効果

ブラッシングは、抜けかけの毛を取るための手入れです。まだ抜けていない毛まで無理に引っぱると、切れ毛や、皮膚の赤みの原因になります。盲導犬総合支援センターの解説でも、死毛を取るものなので優しく、やりすぎないようにと注意されています。「毛が取れるほどいい」ではありません。

1本だけ選ぶなら

ダブルコートの犬なら、まずラバーブラシ。皮膚を傷めにくく、掃除にも流用できます。換毛期に量が増えたら、アンダーコート用を短時間だけ足す。シングルコートの犬なら、痛くないスリッカーブラシを1本。ここから始めれば、大きく外しません。抜け毛と掃除の関係は、犬の抜け毛掃除の基本で説明しています。

この記事で紹介した道具

ファーミネーター 中型犬 M 短毛種用(スペクトラム ブランズ ジャパン)

中価格帯

ダブルコートの中型犬向け、アンダーコート(下毛)除去に特化したブラシ。特殊なステンレス歯でトップコートや皮膚を傷めにくい設計。

向いている人
  • 柴犬・コーギー・ビーグルなど、毛の長さ5cm未満・参考体重9〜23kg未満のダブルコート犬
  • 換毛期に下毛の抜け毛量を短時間でしっかり減らしたい人
向かない人
  • トイ・プードルなどシングルコートの犬(アンダーコートが無く、皮膚を傷める可能性がある)
  • 毛の長さが5cmを超える犬(対象サイズ外。長毛種用の別モデルがある)
用途
ダブルコート犬のアンダーコート(下毛)を、トップコートや皮膚への負担を抑えながら除去する
主要仕様
  • 対象: 中型犬・短毛種(毛の長さ5cm未満、参考体重9〜23kg未満)
  • 対象犬種の例: 柴犬、コーギー、アメリカンコッカースパニエル、ビーグル、ブルテリア、ブルドッグ 等
  • アンダーコート除去率: 90%(メーカー調べ)
  • 構造: 特殊ステンレス歯+エッジガード(歯が皮膚に食い込むのを防ぐ)
  • 毛の排出方法: ワンプッシュボタンで歯に絡まった毛を排出
注意点
  • シングルコートの犬には使わない(メーカーもアンダーコートが無い犬種には非対応としている)
  • 同じ場所を強く・長くかけすぎない。使いすぎは切れ毛や皮膚への刺激につながる(換毛期に短時間だけ、が目安)
  • 毛玉がある場合は、先にスリッカーブラシなどでほどいてから使う
代替手段
ラバーブラシやゴム手袋でも下毛の一部は取れる。専用ブラシほどの除去量は見込めないが、費用をかけずに試せる(→ 犬の抜け毛対策ブラシの選び方)。

参考にした情報

健康・換毛期・製品仕様など重要な事実は、本文中の「出典:」リンクからも確認できます。